2023年1月5日木曜日

QGISで生き物の分布図を作成してみる(その2)


生き物の分布図作成その2です.

今回は,位置情報データをもとに,3次メッシュに色をぬっていきます.

生き物のデータはとある県におけるB種の分布データを扱います(*分布データは架空のデータです).


まずは図郭となる3次メッシュを入手します.今回は生物多様性センターWeb-GIS Shapeデータダウンロードから取得(全国のメッシュからあらかじめ某県のメッシュを抽出しています).



次に,B種の分布データとして,X座標,Y座標,および記録(ここでは文献記録=1,中の人が実際に採集した地点=2としている)を入力したcsvファイルを読み込む.

レイヤ→データソースマネージャから,XY座標を定義してcsvファイルを読み込むことができます.



属性テーブルを開くとこんな感じ.X座標,Y座標,および記録が読み込まれました.



ベクタ→空間演算→交差(intersect)をします.

分布データのポイントに3次メッシュを重ねることで,各座標が位置する3次メッシュのメッシュコードをポイントに持たせます(3次メッシュと分布データの交差部について,双方のレイヤの情報を持ったポイントレイヤを作成する).



入力レイヤを分布データ,オーバーレイレイヤを3次メッシュとして設定し,intersectします(ここで入力レイヤを3次メッシュに設定できればさくっといきそうなのですが,できません).



3次メッシュを重ねたポイントデータが出力された.



属性テーブルを開いてみる.それぞれの座標にメッシュコードが付加されました(何故か座標が微妙にずれてしまいました.今回の作業には特に影響はないのでとりあえずこのまま進む...).



3次メッシュレイヤのプロパティから,先ほど作成したポイントデータを結合し,3次メッシュにB種の記録(1, 2)を結合します.




3次メッシュにB種の記録が結合できました.csv出力でメッシュ単位のデータベースの出力も可能.



色をつけて完成(プロパティ→シンボロジ→カテゴリで定義).




QGISを使って生き物の分布記録を3次メッシュ単位で表示することができました.




2023年1月3日火曜日

QGISで生き物の分布図を作成してみる(その1)


久しぶりにQGISをさわります.

タイトルのとおり,生物の分布図を作成してみましょう.

その1では,とある県におけるA種の分布について,市町村単位で色をぬっていきます(*分布データは架空のデータです).


図郭(行政区域のポリゴンデータ)は国土数値情報ダウンロードサービス(行政区域データ)より取得.

図郭レイヤをQGISに読み込む.表示するとこんな感じ.



属性テーブルはこんな感じ(事前にちょっと整理してありますがここでは割愛).



この属性テーブルをcsvで吐き出します.エクスポート→新規ファイルに保存.形式のところでcsvを選択します.



出力したcsvを開いてみる.



このcsvに,A種の分布データを入力していきます(ここでは在/不在を1/0で定義する).



分布データを入力したcsvファイルをQGISに追加します(ドラッグ&ドロップ).

図郭レイヤ(shp)のプロパティ→テーブル結合で,追加したcsvの分布データを図郭レイヤに結合します.

結合基準の属性=ターゲット属性に設定.結合属性(J)にチェックを入れ,A(=A種の分布データを持っている属性)にチェックを入れ,結合します.



属性テーブルを開くとこんな感じ.分布データが右端に結合されました.



色をつけて完成(プロパティ→シンボロジ→カテゴリで定義).




QGISを使って生き物の分布図を作成することができました.




チョロケン村へようこそ

中の人:チョロケン村です.2014年から6年間の大学生活を鳥取で過ごし,2020年春から島根県に居を移す.昆虫(カミキリムシ,蛾,水生昆虫など)や魚(特にハゼやどじょう,口が下向きについているコイ科など),植物(草原,湿地,ブナ林)が好きです.山陰,中国山地が好きです.最近の関心...